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小説家の私(本木雅弘)は、妻の春子(安藤サクラ)と4歳の娘・左枝子、二人の女中とともに暮らしており、娘の健康に対して臆病なほど神経質である。娘には夏でも風邪を引かぬように厚着をさせる。外で人が娘に対し物を食べさせようとすると、腹痛を起こすかも知れぬから絶対拒否等々。左枝子の前の子を流行り病で亡くしており、当然の帰結・徹底だと思っている。 時は、大正7年(1918)秋。流行感冒(スペイン風邪)が流行り感染者が増える中、女中の石(古川琴音)が、よりにもよって村人が大挙集まる旅役者の芝居興行を見に行ったのではないか、という疑念が沸き上がった。 石は普段から少し愚鈍に見え軽率な行為も多い女中であった。彼女ならやりそうな事だと問いただしたが、石は行ってないと言う。が、私は、そんな疑念を日頃から起こさせる彼女をこの機会に辞めさせようと思った。 大騒動となったが、妻の春子はそんな理由で辞めさせては世間体が悪いと言い、私に冷ややかな眼差しを向けた。 私は暴君になった心持ちがし、石を辞めさせることを思いとどまるのだが・・・。